夢追い人
首をかしげながらこちらを見る、好奇心旺盛な奥二重の目に



慣れた手付きで私の髪を繰り返しなでるその仕草は




相当遊んでいるんだろうな と思わせる。



「いや・・・うん何か・・・すごいねその頭、洗えるの?」



「おいおい、洗えるしー。」



大袈裟におどけた後



「ミホもパーマじゃんか、お揃いだね」



屈託なく笑う。



「私のは普通のパーマだもん」



自分で言っておいて



普通のパーマって何だよって思いながら



恥ずかしくなって目を逸らす。



「ねぇ、俺にニコってしてみて?」



彼はそんな私にお構いなく


無理矢理視線を合わせて

また

私の頭に優しく手をかける



この軽そうな性格からして、付き合ったとしても、持って3ヶ月



いや・・・まずこんな男前がまともに相手してくれるわけないか



頭の中の考えを悟られないように



にこっと微笑むと



「やっぱかわいーね」



まるでペットに言うみたいに



彼は嬉しそうにはしゃいだ。
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