最強最愛彼氏。
「あの、隣良いですか?」
不意に、横から声が聞こえてきた。
見ると、大きな瞳が可愛らしい女の子が私を見つめていた。
「あ、どうぞどうぞ」
快く席を指すと
その子は嬉しそうに微笑んだ。
「……はじめまして。
私、神崎美里(カンザキ ミサト)って言います。よろしくね」
美里ちゃんは
肩まである栗色のストレートヘアを揺らしながら
小さくお辞儀をした。
「金森(カナモリ)夕奈です。
こちらこそ、よろしくね」
美里ちゃんの横顔を見ると、彼女は綺麗にお化粧をしていて。
ほぼノーメイクだった私は
急に恥ずかしくなってしまった。
(やっぱり、お嬢様なんだろうな、美里ちゃんも…)
私の視線に気付いたのか、美里ちゃんはこちらを見て
小さく微笑んだ。