俺様彼氏と空手彼女2
「あのー、牧瀬先輩はいらっしゃいますかぁ??」
その時、教室の中に聞き覚えのある声が響き渡った。
「おや、噂をすれば例のモテモテの後輩ちゃんだわ」
ほー、と感嘆の声をもらし瑞代さんを観察する玲菜。
そのオッサンみたいなリアクション、やめてよ…。
「あ、私だけどー」
名乗りをあげて、入り口のとこへ近づく。
初めてこんな近くで見たけど、本当に可愛い。
まるで、アイドルみたいだ。
「牧瀬先輩ですよね?森崎先輩の彼女の。」
「うん、一応そうだけど」
すると、彼女は屈託のない笑顔でこう言った。
「よかったぁ」
「え!?」
予想もしていなかった反応に、思わず驚く私。
だって私、同級生や後輩たちに色々嫌なイメージをもたれている。
落としたものを拾って上げただけで、半泣きされたし。
同級生曰く、
“世紀末の破壊神”
なんて下らないあだ名まで付けられていると玲菜に聞いた。
ネーミングセンスが古いんだよ。
誰よ、考えたのは…!