俺様彼氏と空手彼女2
「あたし、牧瀬先輩って怖い人なのかなーって思ってたんです」
えへへ、と笑う瑞代さん。
まぁ、そうだろうね。
世紀末の破壊神だなんて言われてるもんね。
言い出した奴、見つけたらただじゃ置かないから…!
「今日も、森崎先輩にお使い頼まれた時、正直怖かったんです」
「へ…へぇ。」
「けど、イメージと全然違いました」
え…。
「初めて会っただけですけど、森崎先輩が言ってたことがようやく理解できました。牧瀬先輩は、優しい人だって」
あ、葵ってばそんなことを…!
なんだか急に恥ずかしくなって、私は思わず目を逸らした。
「そんなこと…」
「あ、ほんとだぁ…」
すると、まじまじと私の顔を見る瑞代さん。
「え、何…?」
「あ、いえ…。森崎先輩が言ってたんですけど…。あ、やっぱなんでもないです」
葵はこの子に何を吹き込んだの…!?
急に、葵に対する怒りが込み上げてきた。
帰ってきたら、回し蹴りお見舞いしてやる。