俺様彼氏と空手彼女2
ぐいっ
「ぅわっ!?」
そのとき、芦屋くんの…いや芦野くんの手が有無を言わさず勢いで私の手を引いた。
男の人に突然そんなことをされれば、当然体勢を崩すわけで。
私の体は、鈍い痛みとともに壁へと投げ出されていた。
「――…うっ、いっ…た!?」
未だクラクラしていた頭は、間近に感じた気配で急激に覚醒する。
「ふっ、お前隙が多いんだよ。俺のことナメてるわけ?」
鼻と鼻の先がくっついてしまいそうな距離に芦野くんの顔があって。
小馬鹿にしたかのような、妖美な微笑みをそこに浮かべていた。
さっきまでの、柔らかで優しい雰囲気は見る影もなかった。
「ちょ…、離れて…!」
「あ、今ごろ自分の身の危険を感じた?もう、遅ぇよ?」
くつくつと喉の奥で笑うと、私の逃げ道を塞ぐためにか、右手を壁へと添え、左手でくいっと私のあごを持ち上げた。
「…っ!?」
「とりあえず、俺のモンになれよ」
は、はぁあああああっ!?