ゆきんこ造雪所【企】


「ふうん…。」

カミナリ様はもわもわした赤い髪を掻いた。

カミナリ様は顔も恐いせいか、みんなに恐がられていた。
もちろん雨を降らせるお願いもよくされるのだが、一度断ればみんな恐がりたいてい引き下がる。
それがいつものことだったのに、サンタは引き下がらなかった。

「おまえはどうしてクリスマスに雪を降らせたいんだ?」

カミナリ様はサンタに問い掛けた。
サンタは真っすぐカミナリ様を見て、すぐに答えた。

「クリスマスプレゼントをあげるって約束をしたからです。みんなも雪を楽しみにしてます。だからお願いします。」

サンタはまた頭を下げた。


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