陰陽(教)師
嵩史はそれがもっともだと思う時もあれば、うとましいと思う時もある。

押しつけがましいというわけではないが、もっと自由でもいいのではないか。

そう考えるたびに、嵩史はオレって猫だなと考える。

「要はどうよ」

嵩史は隣を歩く巨体を見上げた。

「木下は魔女だよな」

「あん?」

答えになってない返事に、嵩史は眉を寄せた。

「なに言ってるんだよ、今さら」

鈴子は代々続く魔女 の家に生まれている、筋金入りの魔女だ。

「…そうか、忘れてたわ」

大吾の言葉に反応したのは、明菜だった。

その場に立ち止まり 、考え込むような仕草を見せる。

「なに言ってるんだ、委員長」

ばつが悪そうな表情を浮かべる明菜に、嵩史は困惑した。

「どうする。俺はここまででも構わないが」

大吾も立ち止まって、太い腕を組んだ。

「2人を誘ったのはあたしだし、今さら帰れだなんて言えないわよ」

「はん!?」

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