陰陽(教)師
大吾も後に続く。

「おい待てよ」

嵩史はあわてて2人の後を追った。



―――――――――


数分後、3人は鈴子が暮らす部屋にいた。

「みんな、よく来てくれたね~」

ジャージ&マスク姿の鈴子は、3人のためにお茶をいれようと立ち上がりかけたが、明菜は「いいから寝てなさい」の一言で押さえつけた。

一方、嵩史はしきりに部屋を見回していた。

「なに三池、女の子の部屋に入って興奮してるの?」

「盛りのついた猫みたいに言うな」

てかお前の部屋で興奮なんかするかと付け足して、嵩史は鈴子にクッションを投げつけられた。

「思ったより普通の部屋だなって思ってただけだ」

クッションを受け止めた嵩史は、改めて部屋を見回した。

間取りは1K。

4畳ほどのキッチンと6畳の洋室がある。

押入と収納型のクローゼットがひとつずつ。

部屋の西側にベッドがあり、その上に鈴子は座っていた。

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