狐に嫁入り!?


「そろそろ向かうぞ」とウタクに言われ、私が頷くとウタクが強く抱き締めてきた。



「ウタクっ!痛い!セクハラ!」

「人間界でもあやかしでもない世界に置いていって欲しいなら弱めてやるぞ?」

「ごめんなさい。なんでもありません」


ウタクが私を抱き締めたのも意味があるというわけか。

納得して私もウタクの着物をそっと掴んでみた。


「……まぁホントは抱き締める必要はないがな」

「え!?そ、そうなの!?って……わっ!」


そうこうしていると風が静かに私達の足元へ集まりだし、体が宙に浮いている。


「ウ……ウタク!浮いてるっ!」

「ふん、口も目も鼻も耳も、全部閉じておけ」


は……鼻と耳はちょっと無理!

口と鼻、閉じちゃったら息できなくなるし!

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