狐に嫁入り!?
でも、なんで私が皐月さんに嫌われなきゃならないのよ。
何にもしてないし、ほとんど喋っても無いのに。
「この者はウタク様に必要な人間の娘という条件は満たしております。
しかし……ウタク様が選んだお方がこんな……気品の欠片も無い、小汚い娘とは……」
皐月さんは今にもその場へ倒れ込みそうなぐらい項垂れる。
……失礼極まりない。
確かに気品の欠片もないけどね、ちゃんとお風呂も入ってたの。
洗濯だってしてたの。
小汚いって2回も言われるほど汚くないんですけど。
怒りは唇を噛むだけじゃ抑えきれなくて、眉間に力が入る。
たぶん目なんて血走ってるんじゃないかと思う。
ウタクはそんな私の様子を窺うかのようにこちらを見てきた。