狐に嫁入り!?
隣でいたウタクが私を冷めた目で見下ろしてくる。
「ほぉ……お前が濡れているのを俺のせいにするのか」
……まずい。
誤解を解かないと、あとが怖い。
「ナ、ナライ?違うの!これは私が自分で池に落ちたからで……」
「でも池に落ちたにも理由があるだろ?どうせ疲れてるのに掃除させられたりしたんだろ?」
……すごい、ウタクのことよくわかってる。
「そ、それはそうなんだけど。でもウタクじゃなくて皐月さんに言われて……」
「皐月!アイツか!俺に敵意むき出しな嫌な奴!」
私を抱き締めるナライの腕に力がこもったのがわかった。