狐に嫁入り!?
奥に炎が潜んでいそうな瞳が私をじっと見据えてくる。
「実雨ちゃん!ウタクにいじめられてんだろ?」
「……な、なんでわかるの!?」
私とウタクのやり取りを見ただけで見抜いたのかな!?
それともナライもいじめられてるから!?
「だって実雨ちゃん、今こんなに濡れてるじゃねぇか!ウタクが意地悪したとしか思えねぇよ!」
「……あ……これは……」
そう。
池で落ちたまんまだった、私。
「えぇっと……いじめられているのは確かなんだけど……これは、その……」
「やっぱり!俺だったらこんなことしないのに!」
「きゃっ……!」
ナライは痛みがわかるかのように顔を歪めると、私をきつく抱き締めてきた。