狐に嫁入り!?
「そうだ!ウタクが20歳になる前、気になる人間の娘がいるって聞いたぞ。
百日参りで大体の人間が参拝をやめていくのに、ソイツはまだ続けるから千日まで様子を見る……とかなんとか」
……それって……私のこと!?
ウタクが私の目の前に現れたの……丁度参拝続けて千日目だったもん。
これ、偶然だなんて言わせないよ?
「狸、口が過ぎたな」
ウタクから静かな殺気を感じる。
ナライは慌てて両手を広げ、ウタクにストップをかけた。
「わ、悪い!やっぱりそうだったんだな!?なんだよ!実雨ちゃんのことかなり本気じゃねぇか!」
「全てお前の勝手な解釈だな。何一つ当たっていない」
「いいや、狸の血が騒ぐね。何より、今ウタクが怒ってることこそ、本気度示してんじゃん!」
ウタクは「ふん」と、不機嫌そうに息を吐くと殺気を緩めた。