狐に嫁入り!?


「で、でも!私と結婚したら特殊な力が手に入るから簡単だって……!」

「今のウタク様なら……です。何も鍛えていなければ、掟違反の願いなど叶えられやしない」



そんな……私、全然知らなかった。

ウタクから話は聞かされてないし、皐月さんにも口止めしてたみたいだから知らなくて当たり前かもしれないけど……

ウタクが私のために何かしてくれてる、なんて考えたことなかった。


私の願いも交換条件があるからで、私をいじめて楽しんでるとばかり思ってた。


だからなんだ。

だから、何も知らず愚痴をこぼしたり、結婚に対して前向きじゃない私に、皐月さんは容赦なかったんだ。



自分が見守ってきた人が……

自分の大好きな人が……

ずっと頑張っていた理由が私みたいな人間の娘だから……。
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