狐に嫁入り!?


皐月さんは尚も話を続ける。


「ただ、ウタク様が千日待った本当の理由は違います」

「なに?もっと深~い理由でもあんの?」


ウタクはもう諦めたのか、皐月さんが喋るのを止めなかった。

黙って冷たい視線を皐月さんに向けるばかり。


ウタクの視線を動じることなく受け止める皐月さんは、覚悟ができているのか、それともよほど何もわかっていない私が憎いのか……。


ナライの問いかけに皐月さんは私を見て口を開いた。



「全て実雨様のためです」

「……私?」



私のために千日待った……ってどういうこと?



「実雨様の願いは先ほど狸も言った通り、ウタク様にとって特殊です。叶えるためにはかなりの力が必要。

そこでウタク様は力をつけるため、日々修行を行っていたのです」


その力をつけるために千日間も修行してたってこと?
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