狐に嫁入り!?
「お前の頭の弱さもここまでくると清々しいな」
「な!?頭の弱さは関係ねぇだろ!?事実全部知っても実雨ちゃんを諦めらんねぇってこと!
俺だってウタクに負けねぇくらい強い想いがあるんだよ!」
ナライはウタクに言い返すと、私に近寄って来た。
皐月さんがウタクからの使命感で私を守ろうとしてくれたが、
ナライが「なんもしねぇよ」と睨みつけて言うのを聞き、一歩下がった。
そしてナライが私の両肩を掴んで顔を覗きこむ。
「実雨ちゃん、やっぱり……こういうことは俺らが決めることじゃない」
「え?」
「実雨ちゃんが答えを出してくれ。俺か……ウタクか」
ナライが真剣に見詰めてくる。
喉の奥が詰まりそう。
……森で聞かれた時は「あったかいご飯が食べたい」なんていう、冗談のような本気の想いでウタクに持ち帰られた。
だけど今はそういう状況じゃない。
……それに……答えは……
……出てる。