狐に嫁入り!?


……ううん……やっぱり私は私でいたい。



人間を捨てるなんて勇気、どこにもないよ。



「……ごめんね、お母さん……」


小さく呟いた私にウタクが視線を注いできたのがわかった。



「どうするか決めたのか?」

「うん、決めた。私……ウタクには頼らない」

「ほぉ……それで母親が助かると思っているのか?」


ウタクは私の神経を逆なでするかのように聞いてくる。


絶対助かるとは言い切れない。

でも……それはウタクを選んでも同じこと。
< 66 / 515 >

この作品をシェア

pagetop