歌姫(仮)
エスカレーターで7階から1階まで降りると
マンションの入り口に黒い城田さんの
車が停まっていた。
私は急ぎ足で車に乗り込んだ。
「城田さん30分で準備とか無理だから~」
『おーおつかれ(笑)』
おつかれじゃないよっ!
「今日は何の仕事?」
ハンドルを握る城田さんに問いかける。
城田さんは20代前半で、
まあ、そこそこイケメン(笑)
『新しいCMの顔合わせと打ち合わせでそのあとが事務所言って、社長の話し聞いて歌番組の収録ってところかな。』
CM?
いやいやっ
聞いてないし!
「CMなんて初耳なんだけど。」
『そうだった?ごめんごめん(笑)』
謝る気あんのか?(笑)
「何のCM?」
『車のCMらしいよ』
「らしいってなによ(笑)」
『行けばわかるって!』
ちゃんと教えてくれたっていいのにっ!
平日の放課後から夜までと
土日はフルで仕事が入っているため、
相当体が疲れている
私は睡魔が訪れ、
眠りにおちていった。