悪い女-side廉-
別に、初めてだからとかそんな理由じゃない。その言葉に過ぎった思考が問題。
「嫌なの?」
雪乃ちゃんが理解出来ないと首を傾げる。
「嫌じゃないよ、光栄」
チュッと頬に唇を寄せれば、雪乃ちゃんの腕が首に回る。
「意味分かんないよ」
首筋に舌を這わせて、上目遣いで見つめる仕草はパーフェクトに可愛いけれど、残念ながら俺には響かない。
「うん、俺にも分からない」
ただ、ちょっと面倒くさい。