悪い女-side廉-
深く考えるのは得意じゃない。雪乃ちゃんは俺の顔色を伺うように腕に身を寄せる。
「…明日、迎えにきて?一緒に行こ」
学校までの事だろう、雪乃ちゃんの言葉に曖昧に頷いて、俺は雪乃ちゃんの家を出た。
雪乃ちゃん、やっぱ可愛いー。勿体ないなー
気怠く足を進めながら、思うけどそれはたいした問題じゃない。
頭を掠めた女は、
多分、いや絶対、俺の事なんて考えもしてないだろう。
そう思うと背筋がゾクリとする。
……うわぁ、俺って変態?
寒い結論に苦笑しながら軽くコメカミを押さえた。