悪い女-side廉-
***

翌朝、約束通り雪乃ちゃんを迎えに行く。


「おはよ」


「……」


不機嫌な彼女に首を傾げる。何かしたっけ?


「なんか不機嫌?それも可愛いーけど」


目線を合わせて髪を撫でれば雪乃ちゃんはプゥと膨れた。

「…メール」

「ん?」

「してくれなかった」


その言葉にやっと理由が見えた。膨れた雪乃ちゃんはやっぱり可愛い。


「ごめんね?」


「…うん」



コクん、と頷く素直な彼女は抱き寄せたくなる程男心を心得ている。



< 18 / 33 >

この作品をシェア

pagetop