悠久の島
もっと遠くへ もっと速く もっともっと正確に

飛びたいと願うも焦るだけでどうにもならない

焦る少女を見て鳥達は笑った

「お前には無理だ、もう諦めて地上でよちよち歩いていればいい」

笑い声のように聞こえてくる

「黙ってて、もう少しで上手に飛べるんだから、あんた達なんかより速く飛べるんだから」

雲の中でじたばたしているのがどうしても恥ずかしかった

飛んでいる事を実感できない

風は吹いてあたしは流されるだけ

流れに身を任せることしかできない

けど目指している場所にはどんどん遠ざかる

「どうして、うまく飛べないの。」

弱気になっているあたしがいた

少女は庭園のある方向を見つめた

時間は刻々と過ぎていく・・・
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