悠久の島
少女は少年を見つめていた

少女めがけて飛び上がってくる白き天使

少年は白き天使となり少女の元へ現れたのだ

「終着点は、一緒だったんだな。」

少年は少女の肩を掴んだ 少女は少年の言葉を訂正した

「ここは、終着点なんかじゃないよ、出発点なんだから。」

もう どうしようもなかった少女に希望の光が照らされた

少女は目を瞑る 目の前に広がる景色

それは 少女が見てきたこれまでの道のり

少女は少年をみて 思い出したのかもしれない

自分も天使であることに

天から来たのではない 地上から這い上がったの

その言葉は 少女の言葉

少女は その言葉通り 天使になる

少女は目を開け 深呼吸をした

少年は少女の肩から手を離した

「あたしの終着点は、庭園の舞台で歌うこと。」

「ぼくの終着点は君の歌を、彼達に届ける事だ。」

二人は それぞれの使命を再確認した
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