悠久の島
少女は体制を整え ぐっと羽に力を入れた

「今だ、飛べ!」

少年は少女の腰を掴み 思い切り空へ押し上げた

それと同時少女も勢いよく飛び上がって行った

光の球体からあふれ出す その光は人々の魂

その昔に 神が異世界へと送り出したものであった

そのいくつ物光がひしめき合い 少女をその球体から押し出そうとする

もう 勢いでしかここを突っ切ることはできない

その圧力で少女の羽ももげそうになっていた

「くっ、痛い、痛いよ、あぁぁぁぁぁぁぁ。」

悲痛な叫び声 その悲痛も届くのは少年にだけ

「もう少しだ、行け!俺も手伝う。」

もう見ていられない 少年は少女を助けに向かう

「だめよ、これは、あたしの使命なんだから。」

勢いのままぶつかっていった体は もう耐え切れないくらいにぼろぼろで

白い羽には 傷口から広がり真っ赤に染まっていた

「うぅ、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。」

痛みを必死で堪えようとする少女

少年は 目の前でぼろぼろになっていく少女を見ていられなかった

手を差し伸べる事を少女は望まない

ならばと 少年は自分の力を少女に分け与えるのだった
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