指先の魔法
「わざとじゃないんだ…ふむつもりなんてなかった。でもあのときおれ…モモのこときらいっていっちゃったんだ…
あやまりたいけどはずかしいんだ」
少年は机に当たるぐらい頭を俯かせる
「謝ることは恥ずかしいことではないんですよ」
少年が顔をあげると
家主が隣に座っていた
「あなたの純粋な気持ち、私にじゅうぶん伝わりました。謝ることは勇気のいること…そうして人間はひとつずつ成長していきます」
家主は少年の手を両手で握る
「おまじないをしませんか?あなたに勇気を与え、モモさんと仲直りするための」
にこっと微笑む家主の笑顔に少年はつられて微笑み返す
「…おまじないって何をするの?」
「爪塗絵です」
「?」
「ネイルアートと呼んだほうがわかりやすいですね」
そう言うと家主に手を引かれて少年は奥の部屋へと足を運ぶ