世界の果てに - 百年の光 -

うう、と悔しがるあたしに、長老は笑いながらも口を開いた。


「簡単に説明しようかの」


「…お願いしマス…」


「うむ。まず姫という存在じゃが、この髪飾りが決めてくれるのじゃ」


長老は、髪飾りを再びあたしの手に戻した。


「今、何も変化はないじゃろう?じゃが、髪飾りに選ばれし者が触れれば、たちまち輝きを放つのじゃ」


「選ばれし者…」


その単語に、どくんと心臓が跳ねる。


長老はあたしの様子に気づかないまま、説明を続けた。


「髪飾りに選ばれし者が姫となり、その髪飾りを身に付けている間、不思議な力を使うことができるのじゃ」


「…不思議な、力…」


「そうじゃ。作物を実らせたり、天候を操れたり…我々には神のような能力じゃ」


無意識に、ブレスレットに視線が移る。


あたしは、本当に選ばれし者なのかな…


「じゃが困ったことに、サムエットの娘…メルティは、力を使うことを拒み始めたのじゃよ」


長老のため息で、あたしは視線を上げた。


すると、エルの琥珀色の瞳がじっとあたしを捉えていることに気づく。


「…そ、それでどうなったの?」


心を見透かされそうな気がして、あたしは慌ててエルから視線を逸らし、長老に訊ねた。


< 109 / 616 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop