世界の果てに - 百年の光 -

「我々は、大いに困った。メルティを説得しようとも、彼女は我々と会うことすら拒んだのじゃ」


「―――そして、髪飾りが盗まれた」


サムエットさんはそう言うと、あたしたちに軽蔑の眼差しを向けた。


「たまたま外に出ていた我々の仲間を捕まえ、痛め付けてここへの入り方を喋らせたんだ。やはり人間は、貪欲で卑劣な生き物だ」


「これ、サムエット。この方たちは彼らと違うと言っておろう」


…つまり。


髪飾りをあの昼間会った山賊たちが盗んで、その山賊を倒してあたしたちが髪飾りを手に入れた。


また髪飾りを奪い返そうと山賊が来たけど、あたしたちがそうさせなかったから…


「わしは、お主たちなら信頼できる」


…だから、長老に招かれたんだ。


あたしたちなら、髪飾りを狙おうなんて思わず、姫を説得できるって。


「おいちびっこ、理解できたのか」


「え!?…う、うん」


エルにじっと見られるのが嫌で、あたしは視線を目の前のカップに向けた。


視界の端で、エルが不機嫌そうに眉をひそめたのが分かった。


「おい…」


「じゃ、じゃあ早速!お姫さまに会いに行こう!」


エルの言葉を遮って、あたしは勢いよく立ち上がった。


「おお、引き受けてくれるか。ありがたいのう」


「もちろんです!サムエットさんのお家はどこ?」


振り返ると、サムエットさんは首を振った。


< 110 / 616 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop