世界の果てに - 百年の光 -
「我々は、大いに困った。メルティを説得しようとも、彼女は我々と会うことすら拒んだのじゃ」
「―――そして、髪飾りが盗まれた」
サムエットさんはそう言うと、あたしたちに軽蔑の眼差しを向けた。
「たまたま外に出ていた我々の仲間を捕まえ、痛め付けてここへの入り方を喋らせたんだ。やはり人間は、貪欲で卑劣な生き物だ」
「これ、サムエット。この方たちは彼らと違うと言っておろう」
…つまり。
髪飾りをあの昼間会った山賊たちが盗んで、その山賊を倒してあたしたちが髪飾りを手に入れた。
また髪飾りを奪い返そうと山賊が来たけど、あたしたちがそうさせなかったから…
「わしは、お主たちなら信頼できる」
…だから、長老に招かれたんだ。
あたしたちなら、髪飾りを狙おうなんて思わず、姫を説得できるって。
「おいちびっこ、理解できたのか」
「え!?…う、うん」
エルにじっと見られるのが嫌で、あたしは視線を目の前のカップに向けた。
視界の端で、エルが不機嫌そうに眉をひそめたのが分かった。
「おい…」
「じゃ、じゃあ早速!お姫さまに会いに行こう!」
エルの言葉を遮って、あたしは勢いよく立ち上がった。
「おお、引き受けてくれるか。ありがたいのう」
「もちろんです!サムエットさんのお家はどこ?」
振り返ると、サムエットさんは首を振った。