世界の果てに - 百年の光 -
「アスティ。会えるのに会わなかったら、後悔するよ」
「…リオ」
「あたしは…あたしには会いたいのに、会えない人がたくさんいる」
家族、友達…あたしの世界の、あたしの大切な人たち。
どんなに会いたくても、会うことはできない。
「会いに行こうと思えば、会える距離にいるのに…なのに、諦めちゃダメだよ」
これは自分勝手な、あたしの主張。
それでもアスティには、あのとき会っていれば…とか、後悔なんかして欲しくない。
あたし自身、家を出る時に、ちゃんとお兄ちゃんに行ってきますって言えなかったこと…後悔してるから。
暫く沈黙が続いたあと、アスティはフッと笑った。
「ありがとう、リオ」
そう言って、あたしの頭をポンポンと優しく叩く。
「敵わないな…リオには。行くよ、オレ」
「アスティ…」
どこか迷いが消えたようなアスティの表情に、ホッとする。
じっとあたしたちを眺めていたエルが、フンと鼻を鳴らした。
「…ったく、お節介にも程があるな」
「…エルだって、アスティに会いに行って欲しいと思ってたくせに」
「あん?」
ボソッと呟くと、エルが眉を寄せる。