世界の果てに - 百年の光 -
そんなわけないと思ったのに、鉄格子を挟んだ向こう側にいたのは、
「………アスティ」
紛れもなく、アスティだった。
「何でっ…」
「エルこそ、何で?」
いつもより冷たい声音に、思わず口をつぐむ。
怒ってるなんて、当たり前だ。
「何でオレに、黙ってたの?」
「…それはっ…」
「オレを利用して、城の宝を盗もうと思ってた?」
「―――違う!」
紫の瞳が、俺をじっと見据えた。
その瞳を逃さないようにと、俺は必死で続ける。
「お前を利用しようなんて、思ってない!俺はただ…お前に、嫌われたくなくて…っ」
そうだ。最初の理由は、捕まるのが嫌なだけだった。
それがいつからか、盗賊だと話すことで嫌われるんじゃないかという不安に変わっていた。
いつまでもこの国にいれるわけじゃないから、なおさら。
「そっか」
…見間違いかと、思った。
アスティが、どこか嬉しそうに笑ったから。