世界の果てに - 百年の光 -
だって今、エルとアスティは、間違いなく同じ道にいるから。
「始まりが、別々だっただけだよ。二人は出会って、お互いに盗賊って道を選んだんだもん。きっと生まれた時から、同じ道を歩むって決まってたんだよ」
あたしの言葉に、エルは何か言おうと口を開いた。
けどすぐに、諦めたように苦笑する。
「楽観的すぎんだろ、お前の頭は」
「悪い?…あたしは、そう思ったんだよ」
自分の道を選んだのは、他の誰でもない、自分自身。
その結果が、今歩いてる道で。
悩むことなんか、ひとつもない。
二人は同じ道を選んだ。それはきっと、偶然なんかじゃないはずだから。
「エル、前にあたしに言ったよね?」
「何を」
「欲しいもんは奪う。どんな手を使っても―――って」
あたしにとって、初めての街を歩く中、エルはそう言った。
「なら、アスティも奪わなきゃ!」
笑いながら、あたしはエルの肩をバシッと叩いた。
予想してなかったのか、エルが僅かにバランスを崩す。
「あのなぁ…」
エルは心底呆れたように、叩かれた肩を擦り、あたしを見た。
その口元は、笑っていたけど。