世界の果てに - 百年の光 -

∴傾く現実


異空間でティアラに会ってから、三日目の昼。


あたしたちは、サイリアに到着した。


「クリス、乗せてくれてありがとう」


『いえ。お安いご用です』


あたしはクリスが引く荷台から降りると、お礼を言って鬣を撫でた。


もう大丈夫、歩くからって言っても、アスティとクリスが許してくれず、あたしはずっと荷台に乗せてもらっていた。


エルだけは、「ほっといても死なねぇだろ」とか失礼なこと言ってたけど。


「さて、どうすっか」


荷台の荷物を確認しながら、エルがため息をついた。


「換金…するほどの量はまだねぇな。食糧調達すっか」


「そうだね。でも干ばつに遭ってるなら、食糧調達も難しそうだけど」


困ったように眉をひそめるアスティに、エルは頭を掻きながら視線を向ける。


「そん時はそん時だな。仕方ねぇよ」


荷台から降りると、エルがあたしをちらりと見遣る。


「…何?」


「留守番しててもいいんだぜ?」


意地悪く笑うエルは、まさに悪魔だ。


あたしの躊躇う気持ちを知ってて、わざとそう言う。

< 284 / 616 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop