世界の果てに - 百年の光 -
「…気付かなかった。ありかとう、リオ」
「ううん。それより、何て?」
小さく書かれた字を、あたし、エル、アスティの三人で覗き込む。
そこには、たった一言。
「―――夜十時、酒場」
声に出して読んだのは、エルだった。
眉間にシワを寄せ、アスティを見る。
「あと三時間か」
「…だね」
なんとも言えない空気が、あたしたちを包む。
きっとそれぞれが、何かしらの想いを抱えていた。
「エルとリオは、先に宿を取ってて」
手紙を封筒にしまい、それを胸ポケットに戻すと、アスティがそう言い出す。
「アスティは?」
すぐにそう訊ねたあたしに、アスティは苦笑した。
「大丈夫。ちょっと、調べものをするだけだから」
調べものって、何?
そう思ったけど、言葉にする前に、エルに腕を引っ張られた。