世界の果てに - 百年の光 -

あたしだって最初は信じられなかっ……あれ?


「…オーガ、まさかクリスの言葉が分かるの?」


『そうなんですか?』


「そうなんですか、って…え?誰でも分かるんじゃねーの?」


穴があくほどクリスを凝視するオーガを見て、ピンときた。


正確には、オーガがするブレスレットを見て、だけど。


「魔術の根源、か」


「…ちょっとエル!あたしが先に言おうとしたのにっ!」


「あん?知るかバカ」


「なっ、」


「魔術の根源?がどうした?」


オーガの疑問の声で、あたしはエルに突っかかりたい気持ちをぐっと抑える。


「…魔術って、かけた人によって根源があるらしいの。そのつながりがあるから、あたしとオーガはクリスの声が聞こえるみたい」


「つまり…この馬、フィオに魔術かけられたってことか?」


「フィオ?」


あたしが眉をひそめると、オーガは「ああ、親父の側近」と言った。

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