世界の果てに - 百年の光 -
その単語を聞いた瞬間、言葉が出なくなる。
心臓の鼓動がうるさいくらいに身体中に響いて、目眩すら襲ってきた。
「何だその生け贄ってのは」
エルの偉そうな声が、右隣から発せられる。
その声を聞いて、何故か少しだけ落ち着いたあたしは、リエラを見た。
「…言葉通りの意味よ。この病を治すために、村人から一人選ばれて…悪魔に身を捧げるの」
「選ばれる、って?」
「長老がいてね、お祈りをして誰を生け贄にするか決めるのよ」
そんなことで、生け贄が…?
リエラは窓の外に視線を向け、ため息をつく。
「あたしから見たら、それは適当に選んでいるように思えたわ。決まって若い女子供だったしね」
「………」
「それでもみんな、もうそれを信じるしかなくて。毎月選ばれる生け贄に、自分が助かるように祈るのよ」
そう言って苦笑するリエラに、かける言葉が見つからない。
これも一つの、世界が傾いている証なの…?