世界の果てに - 百年の光 -
森に入ったときには、すっかり消し飛んだはずの不安が、じわじわと迫ってくる。
あたし、このまま生き延びれるのかな…?
「………」
ティアラがくれた剣を、ぎゅうっと抱き締しめる。
大丈夫。この剣が、あたしを守ってくれるんだから!
意を決し、木の陰から立ち上がる。
辺りを見渡して、危険がないことを確認すると、あたしはそろりと歩き出した。
「どこか…安全な場所ないかな…」
枯れ枝を踏みしめる度、遠くで獣の雄叫びが聞こえる度、あたしの体は震え上がる。
剣をしっかりと握りしめたまま、あたしは歩き続けた。
しばらくさまよっていると、巨大な木が目に入り、足を止めた。
木の根が地面から剥き出しになっていて、ちょうどいい空洞ができている。
「………!」
…あそこに隠れてたら、猛獣に見つからないかも…!