もう一度、隣に。


あたしは1度合った目をそらして逃げようとした。


「椎香──!」


それでもあたしは足を止めない。


「椎香!話聞いてくれ!」

泰ちゃんの叫び声が、あたしがずっと後悔していた卒業式の日を思い出させる。

涙がこぼれそうになった。
あたしの足は少しずつ止まっていく。

いまだ泰ちゃんのほうをむかないあたしの背中に泰ちゃんの叫び声が響いた。



「俺、お前のこと今でも好きだ!」




───え?

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