王子様じゃナイト!
【凌也Side】

「ったく……理性がもたなくなるだろーが…」

俺は自転車を飛ばしながら琴子のことを思い出した。

屋上でつい口走ってしまった告白もどきも、自分でダメにしてしまったし…

アイツも気がついてないだろう。なんせあの性格だし。


「それに……胸、あるっちゃあったんだな、アイツも…」

急カーブを曲がったときに押し付けられた、あの柔らかい感触が未だ背中から離れない。


「っ……思春期の中学生かっての、俺…」

自転車をこぐ足に力が入る。

煩悩を忘れさるため、下り坂を一気にかけおりた。



< 23 / 24 >

この作品をシェア

pagetop