俺様男に心乱れて
タクシーを降り、低い階段を上がると、ビルの入口の前にあの男が立っていた。
「やあ、ありがとう、助かったよ」
私から封筒を受け取りながら、用意してたみたいで、「はい、車代」と言って一万円札を私に手渡した。
「悪いけど、時間がないんで、じゃあ!」
と言って男は私に背を向けた。
「あ、レシートとお釣り…!」
と慌てて私が大きな声で言うと、男はチラッと振り向き、「要らねえよ。取っといてくれ」と言ってビルの中に消えて行った。
ああ、『後でお礼』って、この事だったのね…
これであの男に会う事は、もう二度とないだろう。
そう思ったらなぜか少しだけ、寂しい感じがした。
「やあ、ありがとう、助かったよ」
私から封筒を受け取りながら、用意してたみたいで、「はい、車代」と言って一万円札を私に手渡した。
「悪いけど、時間がないんで、じゃあ!」
と言って男は私に背を向けた。
「あ、レシートとお釣り…!」
と慌てて私が大きな声で言うと、男はチラッと振り向き、「要らねえよ。取っといてくれ」と言ってビルの中に消えて行った。
ああ、『後でお礼』って、この事だったのね…
これであの男に会う事は、もう二度とないだろう。
そう思ったらなぜか少しだけ、寂しい感じがした。