レモン
2.お祭の街
賑やかな街に着いた。

古びた家々が連なっている。

この通りを一つ過ぎればすぐに大通りに出る。

私の育った街、おばあちゃんの家がある素敵な街。
《おばあちゃん、、、元気かな?》


彼は初めて訪れたこの街に驚愕の声を上げていた。

ファーストフード店の看板が赤じゃなくて茶色いとか、

コンビニの明かりがまぶしすぎないとか、

高層ビルがほとんどないやとか、

改めて思うけど、彼って感動詞が多すぎだなぁー。

まぁ、楽しんでるからいいんだけれどね。


露店で買ったカキ氷を保険会社前で食べる。

私は食べ終わり煙草に火をつけて大通りで歩く犬を眺めていた。

そんな私が吐き出す煙を彼は黙って眺めていた。


「ねぇ。干渉されるのって好き?」

私は煙草をカキ氷のコップの中に突っ込んで、彼に突然質問してしまっていた。


彼は当然だけど首を傾げてこういった。

『うーん。誰にされるかにもよるよね。例えば誰?』
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