レモン
「好きな人って場合かな」

『じゃあ構わない。もし相手が嫌いだっていうんなら、それはちゃんと聞いてあげる』

「じゃあ手を繋ぎたくないっていうのは、どうしてなのかな?」


私は勢いにまかせて話している。

だけど後悔もしないし、案外冷静に話している。

だってカキ氷で十分頭も冷めちゃってるから。


『女性って賢い人が大半なんだよね。ごめん、賢いってのは記憶力云々の話じゃないよ』


少し彼の突然の話に疑問符を浮かべた私だけど、ここは一つ聞いてみようと思った。

だからこう切り替えした。


「うーん。じゃあ私はどっちかな」

『君は賢い人。だから俺ちょっと怖いんだよね』

彼はブルーハワイのシロップを飲んで咳をした。

そんな姿がおもしろくて次の煙草に私は火をつけた。


『でね。女性ってのは男性に触れた瞬間に、その男性がどういう人かってのがわかっちゃうんだよねー。あーこわっ』


《どうだろう。わか・・・あぁわかる。私はわかる》


『でもまぁ、これだと賢い云々は関係ないか。こういうのってある?』

「あるかなぁー?。でも、女性慣れしてるかしてないかなんてわかるもん」


彼はふーんと納得していた。

だけど関係を続けていて、楽しくなくちゃ一緒にいても意味がないよね。

ようは安心するかしないか。

なーんてね。と彼は少し笑った。


《楽しいか楽しくないか・・・・・・楽しいって大事だよね。手をつなぎたくないって言われたってことは、彼の話だとどうだろ。彼って怖いのかな?》
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