私をさらった強引彼氏。

「真昼ぅッッ」



なぜか泣きじゃくっている奈生は、

解放された私に
ガバッと抱きついてきた。


「奈生......」



こうゆうのは初めての経験で、

正直まだ
頭の中が混乱してる。



「話してくれてありがとう。」


橘くんの声が後ろから聞こえた。



どうやら彼女たちは
どこかへ行ってしまったみたい。




「辻本さん、立てる...？」


私のそばでしゃがんで、
橘くんは手を差し伸べた。



「うん……」



私は橘くんの手を借りないで、
立ち上がろうとした。


でも

足の力が抜けて、
膝を床につけてしまった。


そうして



今になって大量の涙の粒が、
頬を伝って床に流れ落ちた。