振り向け!初恋

「行く店は決まってんのか?」


先輩の問いかけに社長はブスッとふてくされたまま答えなかった。


「じゃあ、俺の行きたい店でいいね?………サワもいぃ?」

「あっ、はい!」


先輩がいつもどんな場所に行ってどんなものをどんな顔して食べるのか気になってしかたなかったんだもん。


そこを断る理由なんてない。


先輩は私にまた優しく微笑んでエレベーターのボタンを押してドアを開けた。


そっと私の背中に触れた先輩の手のひらにまた胸が高鳴る。



私達が乗り込んだエレベーターはどの階にも止まらずに降りていった。


ふと社長の顔を見るとさっきまでのふくれっ面はなく、先輩のように優しく微笑んでいた。


結局仲がいいんだ。

私はどこから見てもイケてる2人の間で心地よさを感じ始めていた。
< 12 / 12 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

星ちゃんと凪
山晶/著

総文字数/5,746

恋愛(その他)22ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
オレは鈴木星(鈴木スズキセイ)。 私は阿部凪(アベナギ)。 高校卒業、2人で抜け出したカラオケ…………― 初めてのお酒。 初めてのキス。 初めて、近くで見た星の目。
先生と私
山晶/著

総文字数/25,224

恋愛(その他)71ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
教室の一番後ろ 真ん中 私の席の後ろに いつも先生がいた。 先生がいて 初めてをたくさん教えてくれた。
例えば私と彼が。
山晶/著

総文字数/4,021

恋愛(その他)10ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
「今日から男の子として生きる」 髪も短く切った。 化粧も落とした。 花村ヒカルは今から男の子として生きる。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop