honey blood
からかって楽しんでるんだもん。



いつも振り回されてるよね…。



でもいつの間にかあたしの中では紫の存在が大きくなってる。



なにがあっても紫なら助けてくれる気がする…。



変な安心感とか、そんなの感じちゃうんだよね…。



寂しくなったらとか言われたけど、できることなら離れたくなかったな…。



こんなこと考えてるあたしってヤバくね?



素直に甘えられたらどれだけ楽になるんだろ…。



新幹線に乗って携帯を見つめた。



入ってる番号なんかわずかで、地元に帰るというのに誰に連絡すればいいやら…。



仲良かった男友達も、離れてからはほとんど連絡を取ってない。



母親は地元に戻ることすら知らないはず。



誰からも必要とされたことなんてなかったあたしに、紫の思いは救いみたいなものなのかも。



携帯を閉じて窓の外を見つめた。



また戻れるといいな…。



ってか、あたしの居場所はここだって信じてるから。



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