秘密
SIDE.門田悠平
市内バスを降りてから三分程歩くと、悠平は学校に到着する。
学校へ到着してから悠平が職員室の前を通り過ぎた後、下足場から職員室に向かって好美が歩いてゆくことに気が付いた。
悠平は来た道を足早に戻ると、「先生」と声をかけた。好美はこちらに顔を向けてくすりと微笑んだ。
「おはよう、門田君」
「先生おはよう。先生が見えたから走って来ちゃった」
「……嬉しい」
好美は困ったように微笑みながら、頬を紅潮させていた。
悠平は唇を噛みながらはにかむと、キョロキョロと周りの生徒の眼を確認した。
「それじゃあ先生、またな」
「うん、また」
好美が職員室に入ってゆくのを見届けると、悠平は鞄を持ち直すと軽い足取りで教室へ向かった。
好美は、鼻歌でも歌いそうな雰囲気で職員室に入った。