秘密
 

SIDE.門田悠平
 



 
悠平は、目の前で騒がしく一人で話すハジメをあしらいながら、珠子の作った弁当を食べ終えた。
甘い卵焼きが、悠平に珠子の存在を再び思い知らせるのだ。
 

 
「タマちゃんが見てるぞー」
 

「あ?」
 

 
ハジメがボソリと言う。
悠平は眉をしかめている。
 

 
「まあそんなに恥ずかしがるなって。振り向くとバレるからお前はこっち向いていろよ」
 

「そうかよ……」
 

 
ハジメはニヤニヤしながら珠子の方を見ている。そんなハジメを恨めしそうに悠平が見ていた。
 

 
「タマちゃん良いな。健気だよな」
 

 
独り言のようにハジメが呟いている。
しかしハジメは決して悠平と好美の関係を知らない。
 

 
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