電話越しの君へ
彼がゆっくり振り向く。
『……ばーか。
なに泣いてんだよ』
「な、泣いてない……っ」
『泣いてんじゃん。見えてるっつの』
パタッと彼はケータイを閉じる。
「杉本……」
私の声に応えるように彼は私の方へと歩いてくる。
「……つーかさ、お前が先にそれを言うなよ」
意味不明なことを言って目の前に来た杉本は、私の涙をぐいぐいと拭った。
「やめっ…杉本……っ」
「この前俺、言ったじゃん。今月中に告るって」
その言葉に私は胸がギュッと締め付けられる。
「……もう、その子に告白したの?」
聞くと彼は曖昧に笑った。
「………今から、告る」