空白の時間=友情>愛情

生存

「なんだって!!」

「賢二兄さんは確かに生きてますよ!!」



オレは喜びの感情は沸かず…ただただ驚愕し、翼の次の言葉を待った。



「生きてないとして…何でボクが先生と“アニキ”だけしか知らない秘密を知っていると思います?」

-それもそうだな。

「先生はゲイじゃないと“アニキ”が言ってました。それと…あの貝殻はまだ持ってるか?って」

-翼はでたらめを言っているのでもない…。
オレを陥れようとしているのでもない…。

「よし、広沢。お前を信じるよ。オレと賢二は高校時代、親友の域を超える付き合いだった。オレと賢二は愛し合っていた。そしてオレが好きになった男性は賢二だけだ。兄さんに会わせてくれ!!」



「それはボクにはできません」

「なぜだ?」

「ボクだって会ったことがないもん。でも、連絡はできます」

「電話番号を教えてくれたらオレからかける。話がしたい」

「それもできません」

「どうして?」

「兄さんは誰とも会いません。たぶんボクとも…」

「さっぱり意味が分からん。分かるように説明してくれ!!」
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