空白の時間=友情>愛情

悪寒

「先生と賢二兄さんは恋人だったんでしょ?」

翼の口から思いもよらない一言が飛び出した。



オレは全身から冷や汗が吹き出し、翼の目を凝視した。



「大丈夫ですよ。ボクは誰にも喋りませんから」

「いや…広沢…あのな…」

オレは気が動転して、言葉が思い浮かばなかった。



「安心してください。先生はとってもいい人だし、ボクは先生のことが大好きです。あっ、そういう好きじゃなくて…」

オレは背中にゾクッと悪寒を覚え、翼を見つめるのが精一杯だった。

「先生、そんなにビックリしないで。ボクの話をきいてください」

オレはうなずくしかなかった。



「賢二兄さんは生きてます!!」
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