強欲な女
「今の誰?」



「職場の人だよ。家具貰う約束してて…………。」



「俺って友達なの?」



「へ……?」



予想外な事を言われて変な声が出た。



てっきり浮気とかよからぬ勘繰りをしていると思ったのに……。



「だって職場の先輩だよ。家具運んでくれるって言ってるのに今彼氏と居るからって断りずらいよ。友達って言った方が当たり障りないよ。」



「俺気にしないから運んでもらえば良かったのに。」



「せっかく潤と居るのにやだよ………。」



「真美………。変なこと言ってごめん。愛してる………。」



潤は私の唇に軽くキスをした。



だって絶対運んでもらっては困る。



潤は恭平さんが全部用意してくれたことを知らない。



恭平さんはたぶん私に彼氏がいないと思っている。



そんな二人が鉢合わせになったらなんて恐ろしくて考えたくもなかった。



絶対二人を会わせないようにしないと………。



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