強欲な女
「そんな慌ててどうしたの?」



「えっ……。何言ってるの慌ててなんかないよ。ただ潤がここまで歩いてきて疲れてるだろうから早く休憩させてあげたいなって。」



咄嗟についた嘘に自分で苦しい言い訳だったかなと思った。



「そんなんで慌ててたの?真美ってマジかわいいな。」



そう言って私の唇に軽くキスをして頭を撫でてくれた。



私のことを何も疑ったりしない潤。



私のことをすごく信じてくれているんだって分かった。



「潤………。好き。」



私は本心でそう思った。



「俺も大好きだよ。」



そう言うと私を抱きしめて何回もキスをした。



潤の舌が私の口のなかに入ってきて私を触る手が段々と下の方へ降りていった。



身体がどんどん熱くなっていく。



『ピンポン』



突然部屋の呼鈴が鳴った。



熱くなっていた身体は一気に冷めていった。



ここに私が住んでいると知ってる人は極わずかだ。



嫌な汗が背中を流れた。



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